ライフスタイルに合うマイホーム作りのプロ
コラム
2012-02-22
設計者の自己紹介
みなさんお元気ですか?
住宅を購入又は建てようと考えておられる方々のお悩みに役立てばと思い、建築家として人として本音で語ることが最善であろうと思います。今回L邸の建設過程を通して様々な情報をお伝えしますので、皆さまにとってより良い家つくりの参考になればと願っております。
自己紹介ですが、プロフィールを読まれた方はご存知でしょうが、そこに掲載されている以外の事をお伝えします。
私は、1955年10月8日生に(未年です)、大阪の生野区という在日朝鮮人達が多く住む地域で生まれ育ちました。今でこそ韓流ブームやKPOPブームで韓国に対する印象はかなり良くはなって来ていますが、当時は朝鮮人に対する偏見や蔑視感が蔓延しており息苦しい社会状況でした。思春期には人であれば経験する色々な悩みで苦しみましたが、在日朝鮮人青年は日本の青年達とは違う悩みが常に付きまとっています。それは現在も変わらないと思いますが、「私は何者なのか?」という問題です。「朝鮮人でもなく日本人でもない中途半端な存在である」とよく言われもしましたし、そのように考えたと時もあり、「私の存在の意味は何だろうか」と悩んだものです。高校2年生の1学期からそれまで使っていた通称名(いわゆる日本名といわれるもので、新聞などで事件が起こると、△△△こと〇〇〇という表記がありますがその△△△です)を本来の名前に戻しました。ついでに外国人登録からその通称名を抹消し現在に至っています。
建築家になる事をこころざし、大学卒業後は東京のとある建築設計事務所に就職し、修行をしました。その事務所で副所長まで勤めましたが、父が他界したために(母の面倒を見なければならず)大阪に戻ることになりました。大阪に戻りはしましたが、設計事務所を開設するには手立や縁故もあまり無く、どうしていいのやら悩んでいました。
そんな時、住宅設計の依頼があり(生野区に住む在日韓国人の住宅でした)大阪ではどのように業者選定までするのかをある設計者に尋ねたところ(私は競争入札を当然するものと思っていたところ)、設計事務所が業者を紹介するとの事で「そんな小さな工事に競争入札に応じてくれるところは無い」との返事でした。そんな馬鹿な事があるか!と憤慨もし、事務所を開設したばかりなので建設業者も良く知らない事もあって(関西では建設業者と設計事務所は一体でセットのように考えられていたようです)依頼主に入札業者を連れていただきました。結果15社に図面説明をし、見積を出した業者は6社のみでした。一人親方の大工からブローカーのような業者や、又設計事務所の仕事はしたことが無いという工務店までいました。
その時に考えた事は、苦しくても、この関西で設計事務所として仕事はできる。なぜならば、設計事務所自身が依頼者の利益を守らなければならないという事を諦めてしまっているからでした。私の事務所はそんな事務所でなく建築主の財産を守る事を一番に考えている事を伝えていけば可能だと思ったからです。その信念はゆるぎなく持ち続けています。
よく聞かれるのですが、「何故生野区のようなへんぴな所で事務所を構えているのですか?」と。
答えは、在日朝鮮人として、朝鮮人の住環境を少しでも良くなるようにとの思いからですと。
しかし、最近は日本の方の住宅に対する相談を受けていると、このままではダメだと思う気持ちが強くなってきました。テレビなどで宣伝されている住宅会社に依頼し不安になっているとかの話が多いのです。住宅建設は大きな投資です。その投資に失敗しないようにしましょう。そのためのコラムを連載していきます。第1回はここまでですが、第2回以降はL邸の建設にまつわる話をはじめて行きますから期待していて下さい。
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