コラム

 公開日: 2016-09-27 

土地と建物の内訳価格と、建物の耐用年数

 初回のコラム「路線価を使いこなす」で、金融機関の目線で見た土地と建物の内訳について書きましたが、今回は税金に直結する、取得時の土地と建物の内訳価格と建物の耐用年数がテーマです。

内訳価格の計算は1つの答えがない?!


 収益物件は土地と建物が合体して機能しています。
 稼働率やテナントの状況、メンテナンスの状況など、収益物件の価格は、土地と建物とに簡単に分けられない要因によって価格は変わってきます。
 また、全く同じ収益物件でも、不動産マーケットが好調な時と、不調の時でも、価格が違ってきます。
 このように、物件そのものの状態や、マーケットの状況によって変動する収益物件の価格を、土地がいくら、建物がいくらと分ける計算は簡単ではなく、1つの答というのがありません。
 しかし、売買時の建物消費税、減価償却費のベースとなる建物の取得原価など、税法上必要になるため、必ず土地と建物に振り分ける必要があります。
 また、土地と建物の所有名義が違う場合も、振り分けなければなりません。

内訳次第で利益とキャッシュフローが変わる!


 契約書に内訳の記載がある場合は、契約書に記載された金額になりますが、契約書に内訳の記載がない場合は、固定資産評価額の土地と建物の割合で分ける場合がほとんどだと思います。
 買い主側は売買時に支払う金額が少ない方がいいということで、できるだけ建物価格を安くしたいところです。
 しかし、収益物件の場合、購入時の金額だけでなく、保有期間中の減価償却費と償却期間、借入金の元金返済額も考える必要があります。
 そこで、購入検討時に収支とキャッシュフローの試算(シュミレーション)をすることをおすすめします。
 建物の築年数が古いと土地価格の割合大きく、償却期間が短くなるため、減価償却が少なくなります。
 そうすると、収支上の利益は出やすいですが、借入金の元金返済は損金にならないため、税額が増え、保有期間中のキュッシュフローも悪化します。
 築年数が古い建物であっても、新築と遜色ない収益をあげることもありますし、改装や設備更新によって収益力が回復してることもあります。
 そのような建物を築年数だけで単純に計算すると、経済的な価値とズレが生じ、建物価格は割安に、土地価格は割高な内訳になってしまいます。

耐用年数が融資期間に


 耐用年数は、金融期間から融資を受ける場合に重要となります。
 通常は、税務上の耐用年数を参考に、融資期間が決められます。
 融資期間は、保守的に耐用年数×0.8とした年数を基準に考えられることが多いようです。
 融資期間は、元金返済の分母になるため、キャッシュフローに直結します。
 また築年数が古いと、最悪の場合、融資が受けれないこともあります。
 平成元年築前後の鉄骨造などは、外壁の修繕がしっかりされていれば、見た目上はまだまだ機能しそうでも、鉄骨造の耐用年数が34年と短いため、銀行の評価額が購入予定額よりかなり低くなることがよくあるのです。

内訳や耐用年数を変える方法


 では、土地と建物の内訳価格を変えたい場合や、耐用年数を実際に機能する年数に変えたい場合は、どのような方法があるでしょうか?

 その根拠として利用できる資料の一つに、不動産鑑定評価書があります。
 不動産の鑑定評価では、土地と建物それぞれの価格を出すことはもちろん、収益力に見合った経済的な耐用年数を判定し、設備や大規模修繕部分まで、内訳をみることが出来ます。
 購入予定額や内訳の合理性を証明する資料としてはもちろん、賃貸経営の分析資料にもなります。
 購入前だと、交渉して契約書の内訳を変更できるかもしれません。
 ぜひ、収益物件の購入を検討する前にはご相談ください。

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