コラム

 公開日: 2016-12-16 

自動車販売店の経営者が間違える税務ポイント

自動車販売店の税務処理に携わっていると、自動車販売店特有の間違えやすいポイントがあります。

中でも、開業して間もない中古車販売店の経営者に多く見られるのが、自動車税、自賠責保険料、リサイクル預託金の取り扱いの中で発生する、経理処理と消費税の課税区分についての誤りです。

そこで今回は、自動車税・自賠責保険料・リサイクル預託金の適正な取り扱いや税務処理についてご紹介したいと思います。

自動車税と自賠責保険料でよくある誤った処理

中古車の販売価格には、車両本体価格と諸経費の他に、未経過期間に対する自動車税額と自賠責保険料を含めた金額を上乗せするのが一般的です。

この際によく見られるのが、自動車税は租税公課(税金による負担金)だから、「マイナスで計上する」という認識です。

また自賠責保険料も同様に、保険は支払保険料となるから「マイナスで計上する」という処理が見受けられます。しかしこれらは誤った処理となる為、正しい処理方法を次項でご説明します。

正しい処理とは?

では、どのような処理が正しいのでしょうか?

まずは自動車税の課税の仕組みを理解する必要があります。そもそも自動車税は、毎年4月1日現在の車の所有者に対して請求される税金です。

つまり、中古車を購入した時に支払う未経過期間に相当する金額は、自動車税を支払うわけではなく、あくまでも中古車の購入代金の一部として支払う金額となるのです。

また自賠責保険料も、自動車税と同じ考え方となります。自賠責保険料は車検の際に支払う保険料である為、購入時に支払う未経過部分に相当する金額は、中古車の購入代金の一部として支払う金額となります。

従って、中古車販売における自動車税と自賠責保険料は、マイナスで計上するのではなく「売上高」として処理するのが正しい税務処理となるのです。

但しここで注意点があります。

自動車税や自賠責保険料をマイナス計上で経理処理をしても、または売上高として処理したとしても、最終的には「利益」になることに違いはありません。

しかし、この処理のままだと後々問題が発生してくることがあります。

本来、売上高は消費税の課税対象となる項目ですが、マイナスで経費処理をしてしまうと、消費税の課税対象に該当しなくなります。

そこで万が一、税務調査が入り、マイナスで計上しているのが見つかった時には、消費税申告漏れと見なされ、追徴課税される可能性があることに経営者は注意しておきましょう。

リサイクル預託金の税務処理

リサイクル預託金は「使用済み自動車の再資源化等に関する法律」に基づいて、資金管理法人に預託されているものです。

中古車を販売する際のリサイクル預託金相当額の税務は、自動車税と同じ扱いとなり、未経過期間に相当する額を販売価格に上乗せして「売上高」として経理処理します。

その際には、売り主から買主への預託金の譲渡となり、金銭債権の譲渡として、消費税は非課税として扱われるのです。従って、経営者が税務処理を行う際には、勘定項目を分けるなどの工夫をすると良いでしょう。

この記事を書いたプロ

辻村会計事務所 [ホームページ]

税理士 辻村登志子

大阪府大阪市北区西天満6-1-2 千代田ビル別館4F [地図]
TEL:06-6130-8161

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
辻村 登志子(つじむら としこ)さん

介護事業への支援にも力を注いでいます(1/3)

 地下鉄東梅田駅から東へ徒歩約5分のビルにある辻村会計事務所。「最近では、介護事業者の方が増えています。そういう背景もあり、そちらの方の支援に力を入れています。かなり規模の大きい所から小規模の介護事業者さんもおられ、それぞれお悩みの内容が違...

辻村登志子プロに相談してみよう!

読売新聞 マイベストプロ

事務所名 : 辻村会計事務所
住所 : 大阪府大阪市北区西天満6-1-2 千代田ビル別館4F [地図]
TEL : 06-6130-8161

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

06-6130-8161

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

辻村登志子(つじむらとしこ)

辻村会計事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
【IT企業】ゲームソフト販売の税務

IT企業などで行われているゲームソフトの開発・販売は、様々な課金システムが存在し、収益認識基準も課金システム...

【IT企業】自社利用のソフトウェアの会計と税務処理

ソフトウェア制作費は、研究開発の目的以外で計上する方法として、顧客に提供するソフトウェアと、自社利用のソフ...

【IT企業】受注制作ソフトウェア税務
イメージ

ソフトウェア会計は特有の経理処理が存在する為、IT企業やソフトウェアの開発を行っている会社の経理担当者から、...

【IT企業】市場販売目的のソフトウェアの税務

ソフトウェアの会計は特有の処理方法が存在する為、IT企業やソフトウェアの開発を行っている会社の会計担当者から...

【IT企業】会計・税務のソフトウェアの分類

前回のコラム「ソフトウェアの経理処理について」では、会計上と税務上のソフトウェアの違いについてご説明しまし...

コラム一覧を見る

コラムのテーマ一覧
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ