コラム

 公開日: 2013-03-13  最終更新日: 2014-05-23

【確定申告すれば、本当にお得なの? 申告することによる、国保・住民税等の影響について】


【確定申告すれば、本当にお得なの? 申告することによる、国保・住民税等の影響について】

早いもので確定申告も、もはや終盤に近付きつつありますが、皆様は無事申告は終了いたしましたか?

雑誌や新聞などで、確定申告特集!と大々的に謳われていることもあり、

申告したら所得税がいくばくか戻ってくるかもしれない…と、知識のうえではご存知の方も多いのではないでしょうか。

ただ、確定申告することによって所得税は確かに戻ってくることはあっても、

他の税金や社会保険料、扶養控除などにも影響が及んでくること、ご存知ですか?

今回は意外と盲点である、「確定申告してしまったことによる、他の税金や保険料、

扶養家族の判定等への影響」についてお話しさせていただきます。

確定申告も、所得税の還付のみがフォーカスされることが多い反面、他の税金などへの影響については意外と見落とされがちになりがちではないでしょうか。

確定申告は、所得税の申告と住民税の申告とを兼ねることになります。

つまり、確定申告することにより、お住まいになる市町村が「所得」として認識することになるのです。

住民税に影響があるという事は、住民税をベースに計算される各種助成申請(授業料や保育料などの減免)、
また児童手当や児童扶養手当、奨学金などにも影響が出てくることになります。

また、国民健康保険料については、ほとんどの市町村で採用されている「旧ただし書き方式」によれば、
申告した所得は保険料の算定基準に含まれることになります。

例えば株式の譲渡所得があるとすれば、これを申告することにより


国民健康保険料の金額を決めるにあたっての「所得」とみなされ、

結果、思いがけず高額な保険料になってしまうという事態も考えられます。

(国民健康保険料は各市町村によって異なります。詳しくはお住まいの自治体のHPをご覧ください)


ところで証券口座でも『特定口座・源泉徴収あり」で取引していたら、その年で利益が出ていても
必ずしも確定申告しなくてよい規程になっていることはよく知られているかとは思います。
(配当所得につきましても、配当金支払時に源泉徴収されているので、原則としては申告不要にはなります。)

これは、住民税や国民健康保険料などの計算においても有効で、
特定口座・源泉徴収ありの口座で出た利益や配当所得を、敢えて「確定申告しないでおく」ことにより、

収入として認識させないでおく、つまり住民税や国保料を上げないでおくことが可能となるのです。

但し、特定口座でも源泉徴収なしの口座、または一般口座であれば、
取引により利益が出れば、一部例外を除き確定申告しなくてはなりません。

そして、確定申告してしまうと所得が認識されますので、上述の通り保険料などに影響が出ることになります。

それでは、譲渡損失の繰越控除があり、今年度の利益と相殺するために申告した場合はどうなのでしょう。

これは、国民健康保険料の場合、旧ただし書き方式では、「譲渡損失の繰越控除適用後の金額」が所得とみなされます。

ですので、譲渡損失の繰越控除と相殺して申告した場合、相殺後にマイナスになっていなければ、
その金額が国保料の算定基準に入ってくるというわけです。

住民税の計算においては、「総所得金額等の合計額」となっており、
損失にかかる繰越控除適用後の金額でもって計算されることになりますので、

こちらも国保の場合と同様、相殺後に利益が出ていれば、その金額が住民税の算定基準に入ってきます。


注意点としては、扶養親族の判定基準においては、所得の概念は上記のような考えではなく、

「合計所得金額」が38万円を超えるか否かになってきます。

合計所得金額=申告分離課税分を含む全ての所得の合計額で、損失にかかる繰越控除適用前の金額

と定義づけられていますので、例えば譲渡損失の繰越控除が△40万円、今年度の株式の売却益が40万円あるならば

繰越控除と相殺しようとして申告してしまうと扶養の判定から外れアウトとなってしまうわけです。

譲渡所得は△40万+40万=0円となり、40万円の売却益にかかる所得税・住民税 計10%は戻ってきますが、

扶養から外れたばっかりに、4万円よりももっと大きな金額で損してしまった・・・

などという事にもなり兼ねないので、注意が必要ですね。

このように、確定申告においては、所得税だけで申告することの有利・不利を考えるのではなく、

ご自身が住まわれている自治体での住民税や国民健康保険料がどう変わってくるかを把握しながら、

どのパターンが最も得をすることになるのかを見極めることが必要となってきます。


中川会計では申告にかかるご相談も随時お受けしております。

還付申告であれば、期限後であっても申告できますので、

この記事を読まれて気になることがおありの方、一度是非ご相談ください!

弊所HP:http://cpa-tax.jp

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