コラム

 公開日: 2013-12-13  最終更新日: 2014-05-23

【租税回避はできません!国際租税条約の現状】


【租税回避はできません!国際租税条約の現状】
前回のコラムでは、5000万円を超える海外資産を持っていた場合、
申告しないといけないことをお伝えしました。

海外資産の申告漏れがここ数年特に増加傾向にあることから、国税当局が適正な収入の把握と、税収を確保したいために設けられた制度ですが、
今回はさらに、国税庁と外国税務当局との情報交換の現状についてお知らせしたいと思います。

一昔前までは、タックスヘイブンの第三国を介して、税金逃れ・・・なんて言う話も
聞いたことがありましたが、今はそんなことは難しいでしょう。

経済のグローバル化に伴い、企業や個人の海外取引や海外資産の保有・運用が増加する中、
国税庁では、租税条約等の規定に基づく外国税務当局との情報交換を積極的に実施しているようです。
先日、平成24年度における情報交換の実施状況が発表されました。

1「要請に基づく情報交換」

平成24年度に国税庁から外国税務当局情報交換の要請をした件数は、634件。
地域別では、アジア・大洋州の国・地域向けの要請が373件となり、全体の約6割を占めています。

この「要請に基づく情報交換」とは、具体的にどういったものでしょうか?

○ 、個別の納税者に対する調査等において、国内で入手できる情報だけでは事実関係を十分に解明できない場合に、条約等締結相手国・地域の税務当局に必要な情報の収集・提供を要請するものです。
○ 海外の法人等との取引の内容や、海外金融機関との取引の内容など、国際的な取引の実態や海外資産の保有・運用の状況を解明する有効な手段となっています。

○ 「要請に基づく情報交換」を利用することにより、外国税務当局から、海外法人 の決算書及び申告書、登記情報、契約書、インボイス、銀行預金口座に関する情報、海外法人における経理処理が分かる帳簿などの情報が提供されており、調査に活用されています。
○ 最近では、タックスヘイブン国からも、タックスヘイブン国に設立された法人に係る登記情報、出資者や役員に関する情報、設立説明書、定款、財務諸表、取引のある金融機関に関する情報などが提供されており、タックスヘイブン国に設立された法人の実態把握などに活用されています。

《24年度では、こんな事例がありました。》
☆非居住者による日本国内の不動産の譲渡について、日本における所得税の申告が確認できなかったため、外国税務当局から情報を入手し、譲渡所得の申告漏れを把握した。


2 「自発的情報交換」
「自発的情報交換」は、例えば、自国の納税者に対する調査等の際に入手した情報で外国税務当局にとって有益と認められる情報を国内税務当局側から自発的に提供するものです。

《24年度では、こんな事例がありました。》
☆ 国内法人が、海外取引先に対する支払の一部を、第三国(タックスヘイブン国)に開設された口座に送金しており、海外取引先における申告漏れが想定されたことから、この事実を海外取引先の所在地国・地域の外国税務当局に提供した。

☆ 外国税務当局から、日本法人が海外の法人と通謀して外注費を水増し請求させ、水増し分を日本法人の代表者が現地で受け取っているとの情報提供を受けた。

3 「自動的情報交換」
「自動的情報交換」は、法定調書等から把握した非居住者への支払等(配当、不動産所得、無形資産の使用料、給与・報酬、キャピタルゲイン等)に関する情報を、支払国の税務当局から受領国の税務当局へ一括して送付するものです。

国税庁では、外国税務当局から「自動的情報交換」により提供を受けた利子、配当等に関する情報を申告内容と照合し、海外投資所得や国外財産等について内容を確認する必要があると認められた場合には、税務調査を行うなど、効果的に活用しています。

《24年度では、こんな事例がありました。》
「自動的情報交換」により入手した海外金融機関からの受取利子に関する資料を
もとに、
☆ 国内居住者の所得税の申告状況を検討したところ、当該預金利息が申告されていないことを把握した。
☆ 国内居住者の相続税の申告状況を検討したところ、国外に保有する財産が申告されていないことを把握した。

また、平成25年10月1日には、多国間の枠組みとして税務行政執行共助条約が我が国について発効しました。
税務行政執行共助条約は、本条約の締約国間で、租税に関する行政支援(情報交換・徴収共助・送達共助)を相互に行うための多国間条約であり、本条約を締結することにより、より多くの国と協力して国際的な脱税及び租税回避に適切に対処していくことが可能になります。

平成25年10月1日現在、税務行政執行共助条約が発効している国は、日、米、英、仏、伊、韓等30か国となっています。
 
平成25年10月1日現在、発効済みの租税条約等は60、適用対象国・地域は78か国・地域となっています。


ように、わが国の租税に関する情報ネットワークは広がっています。
今回のコラムをお読みになり、海外での取引をされている方は不安になられた方も
いらっしゃるかも知れません。
そんな方はぜひ中川公認会計士税理士事務所へご相談を!
適切なアドバイスでサポート致します!
TEL:06-6208-6230(代表) 

弊所HP http://cpa-tax.jp

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