コラム

 公開日: 2012-10-25  最終更新日: 2012-11-22

税務調査

先日、久しぶりに顧問先の税務調査があったのですが、今回は契約書に印紙を貼っていなかったこと以外には、指摘事項はありませんでした。何か指摘があった場合には、税務署との交渉や修正申告書の作成をしなければならないのですが、それも必要ないので、今回の税務調査は、ほぼ終了したというわけなのです。

 当税理士事務所では会計を会社の経営に役立てることに仕事の優先順位を置いており、それが評価されてお客様が増えている会計事務所だとも思っています。ですが、かと言って決して税金のことをおろそかにしているわけではないのですぞ!ということをアピールするためにも、一般的な税務調査の流れと私どもの事務所での対応について書いてみようと思います。

 税務調査がある場合には、まず税務署から連絡が入り、調査日について日程調整を行います。税務調査に当たって最も大切なことは、普段の経理処理なのですが、次に大切なことは、この連絡が入ってから税務調査当日までの準備にあります。

 税務調査当日、初めに、調査官から社長に商売の流れ、つまりモノやサービスの流れとお金の流れ、その管理方法およびそれを証明する書類について質問があります。ここで、注意しなければならないのは、調査官の質問には必ず裏の意図があり、彼らが本当に聞きたいことは、流れや管理方法そのものではなく、売上の計上漏れの可能性、経費にならないものを経費に計上している可能性、経費として計上しているもののうち交際費や寄付金にできるものの可能性、消費税を増加させうる可能性、源泉所得税を増加させうる可能性であり、何を重点的に調査するべきなのかを見極めようとしているのだということです。

 普段より当会計事務所では、グレーな内容のものについては事実関係を確認したうえで、できる限り、お客さまに有利になるよう解釈し、経理処理方法を判断しています。ですから、調査官が質問してくるような内容については、理屈を考えたうえで、処理していますので、その理屈どおりに答えていただかなければ困るわけなのです。そういう理由で、当事務所では、税務調査当日までの準備として、調査内容と質問事項を事前に予想し、どのように答えてほしいのかをシュミレーションしておくことにしています。

 実際、調査が始まると、税理士としての私は調査官の真の質問意図を察し、質問があってから社長が回答するまでの間に質問の裏の意図を説明したり、社長が答える前に答えて、回答を誘導したりするのですが、それも事前の準備がなければ、かなり苦しいものになってしまうのです。

 調査そのものは、総勘定元帳とその作成の基となった領収書や請求書などの会計資料を照らし合わせ、調査は進みます。もちろん、調査しているのは、売上の計上漏れ、在庫の過小評価、経費にならない支出、経費として計上しているもののうち交際費や寄付金にできるもの、消費税の処理方法、源泉所得税の処理などで、税金の増加につながるものがないかということです。そこで質問がある場合は、さらなる会計資料の開示要求か、費用についてそれを支払う意図、経済合理性・・・つまり、それを支払うことでどのようなメリットが得られるのかである場合か、先に書いたような裏の意図のある質問である場合が多いように思います。

 調査が終了すると、調査官から社長にその調査での指摘事項と今後の処理についての報告があり、調査結果については後日に連絡が入ることとなります。いやな質問の仕方や見せたくないものの開示要求をするとしても、調査官は調査が仕事です。これを受け入れる会社は、立場を十分に尊重して対応し、嘘はつかず、何も隠さず、しかしながら、質問されたことだけにしか答えないという心構えで臨むのがよいのではないかと思います。

 会社が税理士にも黙って、売上を計上しなかったり、経費の架空計上をしているような場合は除いて、通常は、このような流れです。ただ、普段の処理の中で税理士から作成するように依頼された書類を作っていなかったりすると、そこは課税される可能性は高くなります。結局のところ、調査になってから慌てるのではなく、いつ調査があっても大丈夫なようにしておくことが大切なのです。

この記事を書いたプロ

かもがわ税理士事務所プラス [ホームページ]

税理士 加茂川健司

兵庫県川西市栄根2-22-5 トサキビル202 [地図]
TEL:072-741-9416

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
加茂川 健司(かもがわ けんじ)さん

経営者の判断を助ける会計を提案します(1/3)

 兵庫県川西市の加茂川税理士事務所プラスは、管理会計とエクセルツール(表計算ソフト)で中小企業経営者をサポートしています。管理会計とは、税務署や銀行に提出するためではなく、経営者が自社の経営に必要な情報を得るための会計のことです。 「管理...

加茂川健司プロに相談してみよう!

読売新聞 マイベストプロ

事務所名 : かもがわ税理士事務所プラス
住所 : 兵庫県川西市栄根2-22-5 トサキビル202 [地図]
TEL : 072-741-9416

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

072-741-9416

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

加茂川健司(かもがわけんじ)

かもがわ税理士事務所プラス

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
このプロへのみんなの声

アルデ株式会社(明石市)

ピタットハウス明石大久保店を運営しています。当社は立ち上...

林﨑哲也
  • 40代/男性 
  • 参考になった数(5

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
創業時の融資 -経営革新等支援機関を利用する場合ー

日本政策金融公庫に「中小企業経営力強化資金」という融資制度が創設されています。この融資を受けるには、国から...

[ 起業、開業、会社設立 ]

税理士報酬への想い

私の税理士事務所では、税理士報酬の料金表をホームページ上に載せています。税理士にとって料金表をホームページ...

[ 起業、開業、会社設立 ]

売上の減少を食い止めろ

 先日、当事務所のお客様から、「前年の後半より、売り上げが急激に落ちているのだが、原因を確認するよい方法は...

[ 管理会計 ]

起業家の資金繰り ① -創業時の資金調達-

経営者にとって、ヒト・モノ・カネの経営資源はいずれも大切ですが、カネ、つまり資金がなくなれば、その時点で事...

[ 起業、開業、会社設立 ]

自社の強みと財務指標-〇〇当たり利益

 酒屋を営むお客様と話していたときのことですが、「取引先を紹介していただいたのだが、効率が良くないので断っ...

[ 管理会計 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ