コラム

 公開日: 2012-12-06  最終更新日: 2013-05-10

残価設定型クレジット、残価設定型リースの取り扱い

Q 車の購入に当たり、残価設定型クレジットもしくは、残価設定型リースを考えています。それぞれの税務上の取り扱い、経理処理の方法を教えてください。

A 結論から述べますと、この残価設定型、ローンでもリースでも特別な処理は必要ありません。それぞれについて、なぜそうなるのかを以下に説明します。

(1)残価設定型クレジット
残価設定型クレジットとは、ただ単に一定の条件のもとで、〇年後の車両買い取り価額を保証するものです。税務上なにか特別なことはありません。例えば、300万円の車を3年後に100万円で買い取ることを保証するケースであれば、購入時の仕訳は次のようになります。

 車両300万円/長期未払金300万円(単純化するため、諸費用等は考慮しません。)

普通にローンで車を購入する場合と、なんら違いはありません。減価償却も通常通りに行います。3年後に車を売却しないのであれば、ローンの条件変更手続き以外には、別段経理処理はありません。3年後に売却した場合には、仕訳は次のようになります。

長期未払金  100万円/車両〇〇万円
固定資産売却損〇〇万円

 または、

長期未払金100万円/車両    〇〇万円
          固定資産売却益〇〇万円

3年後に簿価〇〇万円の車両を100万円で売却するだけですから、これも何か特別な処理は必要ありません。

(2)残価設定型リース
残価の精算方式には、2つの方式があります。(どちらの方式であっても経理処理は同じですが・・・)
①オープンエンド方式・・・残価設定額を契約時に明示する方式。リース満了時の車両査定額が残価設定額より高ければ、差額が戻り、低ければ、差額を支払います。
②クローズエンド方式・・・残価設定額を契約時に明示しない方式。リース満了時の車両査定額と残価設定額の差額を精算しません。ただし、あらかじめ走行距離などについて、条件が定められていますので、条件を超えた使用分などについては精算が必要になります。

一応説明は記載しましたが、このオープンエンド方式か、クローズドエンド方式かは経理処理とは関係がありません。リース取引の経理処理は、売買取引として処理するのか、賃貸借として処理するかです。売買取引となるか、賃貸借となるかの判断基準は次のようになります。①リース契約期間中に契約解除できるか否か。②借り手が、そのリース資産からもたらされる経済的な利益を実質的に享受することができ、かつ、その資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担すべきこととされているものであるか否か。この②の判定は、リース料の総額がそのリース資産を購入するのに通常必要な価額のおおむね100分の90を超える場合には売買取引として扱います。(フルペイアウト要件)

通常、購入した場合に300万円の車両について、総額250万円、残化設定額50万円の3年リースの契約をしたとします。そうすると車両価額300万円の100分の90は270万円となり、リース料総額250万円はこれより小さくなりますから、売買取引ではなく、賃貸借取引として取り扱うことになります。
ほぼないとは思いますが、もしこれが、総額290万円の3年リースの契約をしたとしますと、車両価額300万円の100分の90は270万円となり、リース料総額290万円はこれより大きくなりますから、賃貸借取引ではなく、売買取引として取り扱うことになります。

しかし、この残価設定型リース契約はそもそも、オペレーティングリースです。売買取引となる例のようにはならないはずですから、単純に支払時にリース料〇〇円を計上すればよいケースが大半であると思います。

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